ガーデニング・家庭菜園 キュウリ

家庭菜園/キュウリのつる割病の経過とその後の対策

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家庭菜園
プランターで手軽に栽培でき、尚且つ、安定した収穫量が期待できるキュウリでしたが、2020年5月末~7月中旬にかけては順調でしたが、ベト病と思われる症状を確認し、消毒作業を行ったのですが、今回はつる割病でした。来年はこのような被害に合わない為、また、同様の被害に合われる方が少なくなるように、病態生理と対策を個人的に分析して、記録に残しておきたいと思います。

つる割病とは

プランターの土の温度が20℃~30℃くらいで雨が続いたり、晴天で乾燥が続いたりする乾湿の差が著しい時にフザリウム属の病原菌フザリウム・オキシスポラムに感染し発症する病気

私のキュウリは、日中につるや葉がしおれて、葉は丸まり、日が照っている状態でも広がることはなく、元気がない状態が一目瞭然でした。根の部分は、白っぽくなったかと思ったら、黒い斑点が生じ、根に近い枝を剪定ばさみで切ると、褐色のヤニのような液体が出ました。地面に近い枝は次第に細くなり、黄色がかってきました。葉も斑点が目立つようになり、黄色に変色し最終的には枯れました。

この病気は、キュウリだけでなく、ゴーヤの葉にも伝染しゴーヤの葉も同じような症状が出ました。
ダコニール1000を散布しましたが、時すでに遅し・・・・やがて株全体がしおれて枯死。収穫量が30本以上とれていたため、なんとか病気が治らないかとがんばりましたが、残念な結果となりました。ゴーヤに広がってはいけないと思い、キュウリの苗を伐採し、対策することで、ゴーヤは元気に育っています。

ちなみに、病気となった土壌には菌が長期間生存するため、処分するか、殺菌しないと同じ結果となるようです。
勿体ない!!と感じた私は、何とか素人でも簡単に土壌を再生する方法をないか、様々な研究を読み漁りました。すると素人の私でも簡単に安全に実施できる方法を見つけましたので、対策で紹介したいと思います。

原因菌フザリウム・オキシスポラム

カビの一種で土壌中や人間の皮膚の常在菌として生息しています。ほとんどは無害らしいのですが、植物に病気を引き起こしたり、人間に害を及ぼすマイコトキシンを作る種もあるそうです。
この菌は、土壌に長期間生息し、腐生菌(生物遺体から栄養を摂る)として、農業用の被害が多く、広い範囲の植物が宿主となります。
タイプとしては、宿主植物を萎れさせるタイプと、組織を腐敗させるものに分けられます。

枯れさせるタイプ

キュウリの根から感染し、つるの導管(水を吸い上げる部分)に菌糸体を広げます。
導管は土の中から栄養を吸収し、植物全体へ、栄養を送る経路になっており、キュウリの生命状態の維持にはかかせないものです。人間で例えると血管のような働きを持っています。

 導管で繁殖した菌は、どんどん増殖し、キュウリの苗が膨らみはじめ、やがて導管を塞ぎ、水分の吸い上げを妨害します。その結果、キュウリ全体が萎れてしまい、やがて枯れてしまいます。
フザリウムによる病害が問題となるプランター野菜にはトマトやマメ科の作物も含まれるそうです。
我が家のプチトマトも昨年はこの被害に合い、根から枯れてしまったのを思い出しました。

腐敗させるタイプ

菌が細胞壁を溶解させたり、細胞膜の透過性を阻害させたりして、組織を壊死させます。人間の体も同じですが、細胞が水分を出したり、取り入れたりすることでバランスを保っています。その膜の機能がおかしくなったり、膜が壊れたりすると、バランスをとることが出来なくなります。

私の育てたキュウリは枯れてしまいましたが、腐敗されるタイプを調べると、水分が吸収できなくなり、水分が滞留することで、腐ってしまうみたいです。代表的なものでは玉ねぎやジャガイモがあるみたいです。ぶよぶよに腐った玉ねぎを思い出しましたが、たしかに土壌の乾湿差が大きいと、腐敗しそうな感じが容易に想像出来ちゃいますね。

フザリウム・オキシスポラム対策

フザリウム・オキシスポラム菌に感染した土壌は、長期間、菌が生存し、その土壌を使用すると、ツル科の植物は同様の被害に合うことが報告されています。
しかし
素人でも安全に消毒できる方法を見つけることが出来ました。

☆それが熱水土壌消毒です。80℃~98℃、要するに沸騰したお湯を土にかけるだけだそうです。土壌伝染性ウイルスに対しても効果があった、その後の作物の生育が盛んになったことが報告されており、試してみる価値はありそうです。

もう一つの対策は、苗を植えたら、菌が繁殖しないように定期的に農薬を散布することです。私はダコニール1000を使用しましたが、つる割病が発生して、しばらく経ってから使用したので、キュウリの苗に対する効果は得られませんでしたが、ゴーヤの葉に感染した病気を治療することは出来ました。
 
 ナフコの農業コーナーで売ってある霧吹き500mlにダコニール1000を1000倍希釈して使用します。
500mlの水に、たった0.5ml入れるだけです。簡単に作ることが出来ますし、私の購入したダコニール1000は容量500mlもあるので、かなり長持ちします。使い勝手も良いので重宝します。ただし、散布には風向きに注意しましょう。向かい風だと自分に農薬がかかります。

☆土壌の土はねを予防するために、藁やマルチを敷くことも大切みたいです。

☆酸性の土壌で発病しやすいとの報告もあるため石灰などをまぶし中性、弱アルカリ性にすることも対策です。

まとめ

今年のキュウリは、惜しくもつる割病にかかってしまい、枯れてしまいました。来年度に向けて、土壌の熱水消毒を行いたいと思います。
野菜を元気に育てるのは、容易なことではありません。農家の方々が新鮮な野菜を育てているのには大変な苦労があると実感しました。
知れば知るほど、やりがいも出る趣味なので、来年度も引き続き作物を育てていきたいと思います。




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